遊びで育む発達支援

見て聞いて覚える力を育む!遊びでできる子どもの記憶力アップ法【発達支援】

Tags: 記憶力, 遊び, 発達支援, 家庭療育, 認知機能

見て聞いて覚える力を育む!遊びでできる子どもの記憶力アップ法【発達支援】

子どもの成長において、「見たこと」「聞いたこと」を覚えておく力、つまり記憶力は非常に大切な土台となります。日常生活での出来事を記憶したり、お友だちとのやり取りを思い出したり、学校での学習内容を身につけたりするためには、記憶力が欠かせません。発達に特性のある子どもたちの中には、この記憶することに難しさを感じることがあります。

しかし、記憶力は特別な訓練だけでなく、日々の遊びを通して楽しく育むことができます。この記事では、家庭で簡単に、特別な道具を使わずにできる、遊びを通した記憶力の発達支援アイデアをご紹介します。

なぜ記憶力が大切なのでしょうか?

記憶力は、単に何かを暗記する力だけではありません。新しい情報を脳に取り込み、それを保持し、必要に応じて引き出す一連のプロセスです。この力は、以下のような様々な側面に影響を与えます。

記憶する力に支援が必要な場合、これらの日常生活や学習、社会性に関わる場面で困り感が出やすくなることがあります。

遊びで育む記憶力の種類

記憶力にはいくつかの種類がありますが、遊びを通して特に働きかけやすいのは、大きく分けて「見たことを覚える力(視覚記憶)」と「聞いたことを覚える力(聴覚記憶)」です。

これらの記憶力は、それぞれ異なる遊びを通してバランス良く育むことが大切です。

家庭でできる!見て聞いて覚える力を育む具体的な遊びアイデア

特別な準備や高価な道具は必要ありません。家庭にある身近なものを使って、今すぐ始められる遊びをご紹介します。

1. 見たことを覚える遊び

神経衰弱・絵合わせカード

ものの位置を覚える「どこかな?」ゲーム

絵本のページを覚えて話す

2. 聞いたことを覚える遊び

おつかいゲーム

しりとり

リズムや音を真似っこ

実践のヒントとスムーズに行うための工夫

他の家庭でのエピソード

あるお母さんは、お子さんが神経衰弱でなかなか絵柄を覚えられず、すぐに飽きてしまうことに悩んでいました。そこで、最初はカードを4枚だけにし、表にしたまま「この絵はどこかな?」と指差しゲームのように遊び始めました。慣れてきたら、絵柄を見せた後に裏返して少しだけ時間を置いてから尋ねるようにしたり、裏返す枚数を少しずつ増やしたりしました。すると、お子さんは「できた!」という経験を通して自信をつけ、だんだん集中して遊べるようになったそうです。

また別のお母さんは、おつかいゲームで指示が一つでも難しいお子さんに対し、「〇〇を取ってきてね」と言った後、一緒に歩いて行って「これだよ」と確認し、次の日には少し離れた場所から指示を出す、というように、少しずつ距離や難易度を調整しました。繰り返し行ううちに、お子さんは指示を覚えて行動できるようになり、「自分でできた!」と嬉しそうな表情を見せるようになったとのことです。

まとめ

子どもの記憶力は、日々の生活や学習の基盤となる大切な力です。特別な訓練や教材がなくても、家庭にある身近なものを使った遊びを通して、楽しく自然に育むことができます。「見て覚える」「聞いて覚える」それぞれの遊びを取り入れながら、お子さんの興味やペースに合わせて進めることが成功の鍵です。

遊びは、子どもにとって最高の学びの場です。一緒に笑い、一緒に悩み、一緒に「できた!」を喜び合う中で、お子さんの記憶力はもちろん、親子の信頼関係も育まれていきます。今日から早速、一つでも試してみてはいかがでしょうか。

遊びを通して、お子さんの可能性を一緒に広げていきましょう。